化粧品やサプリメントに薬機法などの法律が適用されるのはよく知られていますが、実は、普段身につけている衣料品も広告の仕方によっては薬機法違反になってしまうことをご存知でしょうか?
特に、美容や健康を謳う商品の場合は注意が必要です。
今回は、近年注目を集めている「着圧/加圧系インナー※」を宣伝する際に気をつけたいポイントをご紹介していきます。
※…ここでは医療機器として登録されていない、美容健康機器・雑品扱いの商品を対象としています。
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着用することで体の気になる部分に圧力をかける着圧/加圧系インナー。
などさまざまなタイプがあり、独自の構造によりキュッと引き締まったボディラインを形成するのが特徴です。
実は、これらの商品を広告する際に気をつけなければならない法律があります。
それが「薬機法」と「景品表示法」です。
着圧/加圧系インナーを広告する際に気をつけたい薬機法上のポイントは、ずばり「体の変化」を謳っているかどうかです。
たとえば、近年SNSなどを中心によく見かける「着圧レギンス」の広告。
こちらは、
「脚をスリムに見せるレギンス」
などと訴求すれば、使用中の着圧による物理的効果を述べているだけなので薬機法違反にはなりません。
一方、
「履き続けることで脱いだあとも脚がスリムになるレギンス」
などと謳うと、体に変化を与えることになり、医療機器として扱われるため薬機法違反となります。
また、以下のようなケースでは景品表示法違反にもなるので注意が必要です。
景品表示法は、あらゆる商品・サービスをカバーする法律です。
そのため、着圧/加圧系インナーについても、訴求内容に対して合理的な根拠が提示できない場合は景品表示法違反となります。
過去、実際に景品表示法違反となった事例を挙げてみましょう。
2019年、消費者庁は「着るだけで痩せる」「着るだけで筋肉がつく」などと謳った加圧シャツの販売会社9社に対し、改善策などを求める措置命令を出しました。
各社ともに、合理的な根拠なく着るだけで痩身効果や筋肉増強効果などが得られるような表示を行っていたことが、景品表示法の「優良誤認」にあたるとされたのです。
販売会社の中には、広告や商品パッケージにタレントを起用していた企業もあったことから、メディアでも大きく報じられることとなりました。
また、2022年には「着るだけで、いつでもどこでも筋肉トレーニング」と謳い、二度目の措置命令を受けた企業もあります。
「着るだけ」「履くだけ」という表現は、商品の魅力を強調し、消費者に便利さや課題の解決をアピールできるパワフルなワードです。
一方で過剰な宣伝や誇大広告にもつながりやすいため、十分に注意して使用する必要があります。
特に今回のような場合は法的にNGになりやすいため、「~するだけで」という訴求方法は避けたほうが無難でしょう。
今回は美容・健康製品の中でも、着圧/加圧系インナーに関する法規制についてご紹介しました。
これらの商品を宣伝・広告する場合は、以下の点を覚えておくとよいでしょう。
例:「体にぴったりフィットするガードルで、ウエスト回りをすっきり見せます」
「独自の立体構造で、ヒップラインをキレイに整えます」
「ほどよい着圧により、足全体を心地よくケアします」
例:「この加圧シャツを着るだけで脂肪が燃焼します」
「毎日のガードル着用でウエストがどんどん細くなる!」
着圧/加圧系インナーは、体の引き締めや美しいシルエットを実現するための優れたアイテムですが、それ自体が痩せるための直接的な解決策ではありません。
短期的な効果だけでなく、長期的な美容・健康維持のためには、バランスの取れた食事と定期的な運動を組み合わせるなど、総合的なアプローチが大切です。
消費者に正しい情報を提供し、健康的な生活スタイルの促進に努めましょう。
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