インターネットで情報を検索するとき、何を基準に信頼できる情報と判断していますか?
自分で興味を持って検索をしなくても、SNSなどで受動的に情報が得られるシーンが増えてきた現代では、誰しもが専門家のように自身の知識を披露することができるようになってきました。
もちろん、正確な情報を発信している方もいる中で、十分な知識のない方がもっともらしく解説している場面も目にします。
冷静にその情報源が信頼できるものなのか、気に留めない方も増えてきたのではないでしょうか。
ところで、みなさんは「E-E-A-T」という言葉を聞いたことがありますか?
これは、ウェブコンテンツの品質を評価するための基準としてGoogleが提唱しているものです。
単に情報が正しいかどうかを超えて、その情報を提供する側の経験、専門性、権威性、信頼性を総合的に判断するもので、今や業界標準となりつつあると注目されています。
ヘルスケア分野においても、E-E-A-Tは極めて重要な概念です。
なぜなら、医療情報の誤りは直接的に人々の健康に悪影響を及ぼす恐れがあるからです。
今回は、情報の信頼性を図るための基準、E-E-A-Tについて解説します。
日頃触れる情報に対しても、その信頼性を意識するきっかけになればと思います。
インターネット上の情報は星の数ほどありますが、その中には正確で信頼できるものもあれば、誤情報や偏見に満ちたものも少なくありません。
E-E-A-Tは、Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の4つの要素で構成され、Googleがウェブサイトやコンテンツの品質を評価する際に用いている基準です。
これらは、コンテンツ作成者やサイト運営元が、その分野でどれだけの経験を持ち、専門的な知識や技能を有しているか、そしてその情報がどれだけ信頼できるかを示す指標となります。
例えば、美容に関する情報を提供する際には、美容業界での実務経験や専門的な資格などが、情報の信頼性を高める要素となります。
病気や健康に関するものは、医療専門家や栄養士などの専門的見地からの情報が求められるでしょう。
それぞれの要素を具体的に見ていきます。
経験は、情報提供者がその分野で実際に経験を積んでいるかどうかを示します。
例えば、美容分野での記事を書く際には、美容師やエステティシャンとしての実務経験が、その情報の信憑性を高めることにつながります。
ここでの経験は、理論だけでなく実践を通じて得られた知見を意味し、それは読者にとってより具体的で実用的な情報として伝わるのです。
専門性は、情報提供者がその分野において専門的な知識や技能を持っているかを示します。
例えば、医療や福祉の分野では専門的な資格や学位、研究成果などが専門性の証となるでしょう。
専門性の高い情報は、科学的根拠や実証された知識に基づいているため、より信頼性が高いと評価されます。
権威性は、情報提供者がその分野でどれだけ認知されているか、またはその分野における権威があるかを示します。
具体的には、外部から適切な被リンクを獲得していたり、今の時代ではSNSでのフォロワー数が多いことなども、影響力があるという点で権威性が高いと評価される傾向にあるようです。
権威性のある情報提供者からのコンテンツは、その分野における信頼できる情報源と見なされます。
信頼性は、情報提供者が正確で誠実な情報を提供しているかどうかを示します。
これには、情報の透明性や正確性、情報提供者の倫理的な態度なども加味されます。
信頼性の高い情報は、読者が安心して受け入れることができる情報とも言い換えられるでしょう。
これらの要素は、単独で考えるのではなく、相互に関連しながら情報の品質を高めるために重要です。
特にヘルスケア分野では、これらの要素が情報の信頼性を左右し、結果として人々の健康や生活の質に直接影響を与えるため、E-E-A-Tの理解と適用は不可欠です。
各要素について、もう少し深掘りしてみましょう。
では、ウェブ上で情報を発信していくためにはどのようなことを意識していけばよいのでしょうか。
まず、「経験」や「専門性」は自分で表現が可能なものです。
「経験」に関しては、経歴や受賞歴などわかりやすい実績だけでなく、続けている年数や経験数など数値化できるものもあります。
また、経験によって感じたことや問題点を発信することも経験の要素になり得るでしょう。
一時期、SEOはテキストでの情報が全てされていましたが、現在では写真や動画でも経験は表現できます。
例えばデザイナーが自身の作品を画像で閲覧できるようにしたり、美容師がヘアカットの技術を動画で見せることも経験を伝える手段として有効です。
次に、「専門性」は、資格の取得や研究においての論文などで、わかりやすく示すことができます。
自身が研究し、発見した事実でなくとも、多くの情報の中から正確な情報を伝えられることも専門性に繋がるでしょう。
例えば、同じテーマについて発信していたとしても、月に100冊以上の専門書を読む人と、なんとなくSNSで見た情報をただ真似しているだけの人、どちらがより有益な情報を提供できるかは一目瞭然ですよね。
別の例を挙げてみましょう。
医師や看護師などは、国家試験を受けるにあたり、専門的な知識を身につけています。
体の仕組みや機能についての理解が深い方と、厳しい食事制限のもと痩せた一般の方、ダイエットのアドバイスを求めるにはどちらの方を選びますか?
次に、「権威性」と「信頼性」を見ていきましょう。
この2つの要素に関しては、自身の努力だけでなく、第三者からの評価により得られるものです。
「権威性」とは、コンテンツ作成者やサイト運営元がどれだけ影響力を持っているか、というようなニュアンスとなります。
わかりやすい例ですと、国や自治体などが発信している情報は、確かな情報だと思い、信用しますよね。
多くの記事などで引用や参照元として使われるものは、権威性が高い情報であると判断する一つの基準となります。
また、その歴史(経歴)や実績などから認知度を高め、◯◯の分野では有名な人や、△△専門家として重宝されている方などは権威性があると判断できるでしょう。
そして、その権威性を高める要素が、先の「経験」と「専門性」であることにお気づきでしょうか。
このように見ていくと、各要素がそれぞれ関連しているとよく分かるかと思います。
最後は「信頼性」です。
信頼性は、他の3つの要素とどのような関係にあるでしょうか。
このコラムの冒頭で、「インターネットで情報を検索するとき、何を基準に信頼できる情報と判断していますか?」と投げかけました。
「信頼できる情報」の判断のためにE-E-A-Tの概念が取り入れられているとすると、この中にすでに「信頼性」があることに違和感があるかもしれません。
つまり、E-E-A-Tの4つの要素が大事だとされつつも、経験、専門性、権威性が高まることで「信頼性」も向上するというバランスにあると考えられるでしょう。
今回はGoogleがウェブサイトやコンテンツの品質を評価する際の基準、「E-E-A-T」について見ていきました。
インターネット上での情報の検索方法は、時代の流れとともに変化しています。
かつて、ウェブで成功するためにはSEO対策がすべてであるかのような時期もありました。
個人が気軽に発信できるようになった現代では、SNSから情報を得る人も増えていることから、検索エンジンの在り方も変わってきています。
より信頼できる情報源であることが、検索結果にも影響することで、SNS検索との差別化を強めているようにも思えます。
ご自身でコンテンツを作成される方や企業やサービスのウェブサイト運営をされる方は、「E-E-A-T」を意識した情報発信を心がけると良いでしょう。
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