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関係者でも知らない!?「セラピー」「マッサージ」の正しい使い方を解説

2023.05.24 #あはき法 #医療法

私たちが日頃からよく目にし、慣れ親しんだ言葉であっても、実は誤った使われ方をしていることがあります。
今回は健康・美容の分野で使われることのある「セラピー」「マッサージ」について解説していきます。

「セラピー」の注意点

化粧品やエステサロンの広告で「セラピー」という言葉を見かけたことはありませんか?
とても本格的で、その効果に期待が持てそうと感じたかもしれません。

しかし、「セラピー」は治療を意味し、医師などの医療従事者が行う行為を表す言葉です。
医薬品ではない化粧品や健康食品、また美容室やエステサロンなどの非医療機関では、医療に近しい効果があると利用者に誤解を与えることがないよう、注意が必要となります。

具体的な例とともに見ていきましょう。

関係者でも知らない!?「セラピー」「マッサージ」の正しい使い方を解説

例1:「アロマセラピー」用の化粧品(美容液・オイル等)

「セラピー」が治療を意味するため、薬機法で化粧品での使用は不可とされています。
同時にその化粧品の効果効能を謳うこともできません。
(✕肌の疲れを回復、✕血行を促進)

例2:サロンで提供する「アロマセラピー」トリートメント

アロマセラピーのトリートメントは、精油を使って心身を癒すサロンのメニューで、医療行為でも治療行為でもありません。
医師の資格を持たない者が、美容や健康のためのリラクゼーションを目的として行い、病気の治療や予防をするための施術ではない(医療行為ではない)と利用者に理解してもらわなければなりません。
施術内容によっては、医師の診察を受けることが必要な場合もありますので、あくまでもリラクゼーションの枠を超えないように注意しましょう。

※近年では統合医療の分野で「メディカルアロマセラピー」も注目を集めています。

例3:スタッフを「セラピスト」と呼ぶ

「セラピー」は実際に起っている症状を治すための治療のことで、セラピストは治療を行う人を指します。
医療行為ではないリラクゼーションなどで「セラピスト」という言葉を使うのは、誤解を与えるため避けましょう。

「マッサージ」の注意点

「マッサージ」はエステや整体院のメニュー、街中の看板などでもよく見かける一般的な言葉です。
しかし、「マッサージ」は、資格を持たない人が行うと法律違反になる恐れがあることをご存知でしょうか?
お客さまを相手にマッサージを行うためには、あん摩マッサージ指圧師という国家資格が必要なのです。

具体的な例とともに見ていきましょう。

関係者でも知らない!?「セラピー」「マッサージ」の正しい使い方を解説

例1:リラクゼーションサロンの「全身マッサージ」

一見なにも問題がなさそうな表現ですが、「マッサージ」を行えるのはあん摩マッサージ指圧師の国家資格を持つ人のみです(医師免許については論点がズレますので割愛します)。
安易にサロンのメニュー名に「マッサージ」と入れることは、あはき法(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律)に抵触する恐れがありますので控えましょう。

例2:美容院で提供する「ヘッドマッサージ」

美容師免許を持った美容師は、シャンプーや水、オイルを使用した髪質や頭皮ケアを行うこと自体は認められています。
「ヘッドマッサージ」に当たるサービスは、リラックスや癒しの提供を目的とした「ヘッドスパ」などの代替表現を使用すると良いでしょう。

まとめ

身近な言葉であるがゆえに、あまり意識しない表現だったかもしれませんが、どちらも人の体に影響を与えうるものです。
提供する側も利用する側も、慎重に判断することが求められる言葉ということを覚えておきましょう。

 

  • 「セラピー」は治療を意味する言葉のため、使用には注意が必要
  • 「マッサージ」を行えるのはあん摩マッサージ指圧師の国家資格を持つ人のみ
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